2015年8月14日に登った記録です。
150814乾徳山00
大平牧場から乾徳方面を望む

こんにちわ、亀足隊長です。
前回、絶好の展望を満喫できた不肖小生は、夏真っ盛りのこの時期、やはりせめて2000m以上での展望をと計画を考えるのでした。
そういえば、かなり久しく亀足天皇(女房殿のことです)と岩遊びしてないなぁ。
よ〜し、少し岩稜ででも遊ぼうか。
2000mOverで鎖場といえば…
すぐに乾徳山と答えがでました。
ここは以前、ファミリーハイクMLで子供達を大勢つれて攀じった想い出の山。
ザイルをロープダウンして子供たちをビレーしながら岩で遊びました。子供たちが目を光らせてたどり着いた山頂には、完全貸し切りの絶景が待っていてくれました。
発病後もクライミングは意外とイケてたので、期待を込めての出発と相成ったのであります。

◎歩いたルート
150814乾徳山MAP
◎亀足コースタイム(あくまでも小生のペースなので、一般タイムとは異なります)
大平牧場 ---(40分)--- 道満尾根 ---(50分)--- 扇平 ---(70分)---
乾徳山 ---(55分)--- 扇平 ---(40分)--- 道満 尾根 ---(30分)--- 大平牧場 Total=4H45M

◎距離7km 累計標高差(+)860m、(-)860m

奥秩父の前衛と呼ばれる乾徳山は、主脈の国師岳から派生した尾根が黒金山を経由しながら標高を落とし、標高2030mで頭をもたげているところである。
かの武田信玄の菩提寺である「恵林寺」を創建した夢窓国師が、この山で修行を重ねていたそうである。
中腹にある国師ヶ原という地名や座禅岩なる奇岩も残っているくらいであるから、かなり密接な関係があるのだろう。
なるほど「乾徳山恵林寺」という山号となっているのも、そういった由縁なのかと頷ける。
山岳修行の場は、だいたい岩山と相場が決まっているが、やはりこの山も急峻な岩稜を備えているのである。
そんな修験の山で岩遊びなぞと考えている小生は、やはり不肖ものであるな。

国師から黒金(中央のピラミダル)、乾徳に至る尾根
150814乾徳山01
自動車で狭い林道を辿って、ぱっと開けたところに大平牧場がある。
今日は、ここに車を止めさせてもらって登山スタート。
牧草地の間を縫って尾根に向かうが、この牧場は廃業とのことで牛舎などが荒れ放題。
アスファルトの道をほどなく行くと、古い林道伝いに尾根を絡んていく。
道が国師ヶ原へまわりこむよう乗っこしたところで尾根にのる。道満尾根である。
ここから山頂まで尾根伝いのトレールが続く。
この道満尾根は、振り返りながらの景色が高度を稼ぐとともに変わっていく。
徳和からのルートより断然いい。

150814乾徳山02

少し斜度がゆるんだところが月見岩。
カヤトの中に、一つの巨岩が置き忘れたようにドンと佇んでいる。
なぜ月見岩と呼ばれるのか?
夢窓国師がこの上で月見をしたのか?
鎌倉時代のこと、仏教の教え、不肖小生は何も知らない。

月見岩
150814乾徳山03
ここから扇平までは、なだらかな広い尾根が続く。
この稜線の下には国師ヶ原がある。
ここから望むことはできないが避難小屋の高原ヒュッテが建つ。
以前、仲間と大宴会をした老朽の避難小屋も、今はキレイに手入れされ、何やらトイレもあると聞く。
林の中に、ツェルトで囲った簡易トイレを作ったことが懐かしい。

ほどなくいった扇平からは、手近にテッペンを望むことができる。
残念ながらガスが山頂を覆い始めた・・・
150814乾徳山04

トレールに斜度が増してくると岩場の急登となる。
さあ、ここからが今日の核心部。
普段使わない筋肉で楽しみながら標高をあげていくのである。
150814乾徳山05

はたから見ると、なかなかスリリングなところにもルートはついている。
しかし、ホールドはガバ。スタンスもバッチリ。
楽しい、楽しい。
150814乾徳山06

ちょうど岩歩きが身体にこなれてくる頃、鎖が現れる。
亀足天皇も楽しみながら上がっていく。
不肖小生は、鎖には触れずに登ることにする。
ホールド、スタンスともに多いので、恐怖感は感じない。
しかし、両サイドはキレ落ちている所も多いので、バランスを崩してそちらに落ちると危険。
慎重な三点確保は基本中の基本。
150814乾徳山07

続いての鎖場、カミナリ岩が出現する。
ここは左右に鎖が下がり、ふたつのルートに分かれている。
向かって右側は安全ルート。易しい。
ちょいと頑張りたい人は左の鎖へ。こちらの方が傾斜が立っている。
しかし、ここもホールドがバッチリ。
中段のテラスに上がるところだけは、ちょいとリキがいる。
このカミナリ岩は高度感もなく、緊張せずに取りつけるのではあるが、サイドにに落ちたらかなりヤバイ。
150814乾徳山08

本を開いて立てたような乾徳名物「鳳岩」。およそ20mほど屹立している。
さあさ天皇殿、存分にお楽しみ下さいまし。
不肖小生といえば、ここも鎖ノータッチで登高。難しいのは下部の5mだけ。
昔は苦もなく登ったものさっ。けして力は使わずにね。
見よ亀足隊長のムーブをっ!
クラックに脚をかけ、サイドの壁やスラブにフリクションを使って…
!? のっ、登れない!これじゃ登れない!
ヤバッほんの10数年での劣化!
体力の減退なんかよりもバランス感覚の方がもっと劣化してる
これって老化?

鳳岩
150814乾徳山09

150814乾徳山10

残りの易しい15mほどを難なく抜け、すぐにテッペンに立つ。
山頂は数人が座れるほどの狭い岩場。
残念ながら、そこはガスの中だった。
秩父の連脈やアルプスを間近に望める360°の絶景地であるのに・・・
亀足天皇には、絶景をまたの日にプレゼントすると約束して、大休止としよう。
不肖小生は、老化(?)の感傷にドップリ浸かり、ガスで望めるはずのない南アを眺めながら、苦いコーヒーをすするのであった。

スペースが狭い山頂
150814乾徳山11

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久しぶりに岩遊びを楽しむことができました。
歩いたタイムを標準タイムと照らし合わせてみました。
すると、岩場の部分にかなり時間がかかっているのが分かります。
これはドッペルで登ることはせずに、なれない亀足天皇を補助していたからだろうと思います。
今後、計画を立てるときには、この事を加味して考えなければ…
多かれ少なかれ、老化というものは寂しいかな避けられませんがバランス劣化というものを体現したことは貴重でした。
気をつけなければいけませんね。
先ずは眼、続いてバランス…
不肖小生は、絶対認めたくないお年頃なのですが山の神様に、しっかりとご教示いただいたのでした